節税効果の高い相続税対策12選!特例・制度を活用して賢く節税
相続税は生前から対策することで、大幅に節税することも可能です。
今回は数ある相続税対策の中から、高い節税効果が見込める手法をご紹介します。
生前贈与を活用して相続税を節税する方法
相続税は、亡くなった時点の財産に対して課される税金ですので、生前贈与で課税対象となる財産を減らすことにより、相続税を節税することが可能です。
贈与税の基礎控除額110万円を活用
生前贈与は贈与税の対象となりますが、贈与税には年間110万円の基礎控除額があり、贈与金額110万円までなら非課税です。
110万円控除は毎年利用することができますので、複数年に分けて相続人へ財産を渡すことで、贈与税を発生させずに生前贈与を行えます。
住宅等取得資金の贈与の非課税特例
「住宅等取得資金の贈与の非課税特例」とは、父母や祖父母など直系尊属から住宅購入資金の支援をしてもらった際に活用できる制度です。
住宅購入資金の贈与であれば、最大1,000万円まで非課税になりますので、親(祖父母)は相続財産を減らす目的で資金援助をする方法もあります。
また建築した自宅を子の名義にすることで相続財産から除かれますので、相続税対策としても活用できます。
教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税制度
「教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税制度」は、祖父母など直系尊属から教育資金に充てるための資金を支援してもらった場合、最大1,500万円まで非課税になる制度です。
特例を適用するためには手続きが必要ですが、入学金や授業料、学習塾など教育に必要な費用のために使う資金の贈与に対して、贈与税が課されなくなります。
結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度
「結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度」は、祖父母など直系尊属から結婚・子育てのための資金を支援してもらった場合、最大1,000万円まで贈与税が非課税になる制度です。
結婚・子育て資金の範囲は、挙式費用や新居への転居費用、不妊治療や子の医療費など対象範囲は幅広く、利用しやすい制度となっています。
贈与税の配偶者控除
「贈与税の配偶者控除」とは、婚姻して20年以上の夫婦において、居住している住宅の贈与または、これから住宅を購入するための資金の贈与を受けた場合、最大2,000万円まで非課税になる特例です。
贈与税の配偶者控除を利用することにより、贈与税を支払わずに自宅の名義を配偶者できますし、遺産分割で揉めるのを避けることができます。
相続税の制度を利用して節税する方法
相続税には贈与税と同様、基礎控除額や特例制度などがありますので、上手く活用することで相続税を節税できます。
養子縁組により基礎控除額を増額する
相続税は、相続財産が基礎控除額以内であれば非課税となります。
基礎控除額は相続人の人数によって異なり、法定相続人が3人のご家庭の場合、基礎控除額は4,800万円です。
【相続税の基礎控除額の計算式】
3,000万円+600万円×法定相続人の人数=相続税の基礎控除額
法定相続人の人数は、孫や子の配偶者を養子とすることで増やすことが可能です。
法定相続人が1人増えれば基礎控除額は600万円増加しますが、亡くなった人に実子がいる場合、基礎控除額は1人分(600万円)までしか増えない点には注意してください。
死亡生命保険金の活用
相続税には基礎控除額以外に、死亡生命保険金に対する非課税控除も用意されています。
相続人が3人のご家庭であれば、1,500万円までの生命保険金は非課税となります。
【死亡生命保険金の控除額の計算式】
500万円×法定相続人の人数=死亡生命保険金の非課税控除額
相続財産を現金から不動産に変える
相続税は、亡くなった時点の時価を基に計算しますが、土地については国税庁が公表している路線価(評価倍率)を使って評価額を算出します。
路線価は道路に設定されている金額に土地の面積を乗じることで評価額を算出する方法で、路線価の金額は公示価格の80%相当とされています。
公示価格と時価は同程度の価額ですので、預金を土地に変えるだけで相続税の対象となる評価額を20%下げることも可能です。
(路線価の金額は地域ごとで異なり、毎年変動します。)
不動産を貸付用として活用する
土地や建物を貸し付けた場合には、貸していることによる減額補正を適用できます。
たとえば借地権割合60%の地域で、土地を貸し付けた場合、相続税評価額を60%減額させることが可能です。
減額割合は地域や貸付方法によって異なりますが、未利用の不動産を貸し付けることで、収益を得ながら相続税対策を行ことができます。
墓地・仏具を生前中に購入する
相続税は亡くなった人の財産全てが対象ですが、墓地や仏具については非課税対象となっています。
そのため生前に墓地や仏具を購入すれば、購入金額分だけ相続財産を減らすことができます。
小規模宅地等の特例を活用
土地を自宅や事業用の敷地として利用している場合、相続税評価額を最大80%減額できる「小規模宅地等の特例」を適用することが可能です。
自宅の敷地については、面積330㎡までの土地の評価額を80%下げられますので、賃貸物件にお住まいの場合には、子へ相続させることも考えて自宅を購入することも選択肢になります。
配偶者の税額軽減
配偶者の税額軽減は、配偶者が取得した財産が1億6千万円までの場合、全額非課税になる税額控除です。
相続税の支払いが難しい状況においては、配偶者が相続財産を全て取得し、相続税の支払いをゼロにする方法もあります。
まとめ
相続税対策は生前からやるべきものと、相続が発生した後でも実行できるものがありますので、現在の状況に合わせて使い分けることが大切です。
ただ過度の相続税対策は、相続人間の揉め事に発展する原因にもなりますので、専門家からアドバイスを受けながら、ご家庭に合った方法で節税策を講じてください。
最終更新日 2024年7月6日
最終更新日 2024年7月6日