養子縁組しても元の親の相続はできる? パターン別に解説!
養子縁組しても元の親の相続はできるのでしょうか?
今回は、そうした疑問にパターン別で解説します。
特別養子縁組の場合
養子縁組には、
- 普通養子縁組
- 特別養子縁組
の2種類があります。
このうち、普通養子縁組では、養親との親子関係ができても、実親との親子関係も残るため、実親と養親の両方の遺産を相続できます。
これに対し、特別養子縁組は、養親との親子関係ができ、実親との親子関係が終了するので、養親の遺産を相続できますが、実親の遺産を相続できなくなります。
以下、普通養子縁組を前提に、いくつかのケースを見て行きましょう。
婿養子のケース
A(男)とB(女)が結婚する場合に、AがBの両親と養子縁組をするケースです。
この場合はAの苗字はBの苗字になり、AとBは法律上、夫婦であるとともに兄弟姉妹でもあることになります。
ちなみに、日本では夫婦別姓は認められていませんが、必ずしも夫の苗字にする必要はなく、妻の苗字にすることもできます。
妻の苗字になること=婿養子と誤解されている方もおられますが、婿養子は妻の親と養子縁組をして届け出をすることを指しますから、単に結婚に伴い妻の苗字になることと婿養子は関係がありません。
婿養子が利用されるケースとしては、男子のいない家系に男子を迎え入れることや家業を継いでもらう目的などがあると思われます。
相続の場面を詳しく説明しますと、Bの両親が甲乙として、甲乙にはBの他に次女Cがいるとします。
この場合に甲が亡くなると、相続人は配偶者乙と実子のBC、そして養子のAが相続人になります。実子と養子の相続分はまったく同じです。
つまり、配偶者が2分の1、子供が2分の1となりますから、子供3人は2分の1を3人で分けることになり、各6分の1の相続分となります。
連れ子のケース
AB間に生まれたCがいて、AとBが離婚しCがBについていき生活しているという場合です。
Cにとっては、ABが離婚したとしても親子関係は終わりません。
その後、BがDと再婚するケースを考えてみましょう。
たとえBDが夫婦となっても、Cは法律上自動的にDの子にはなりません。
BとCは親子であることに変わりありませんが、DとCが親子関係になるには養子縁組をしなければなりません。
このようなケースでも普通養子縁組は利用されています。
養子縁組後は、法律上CはDの子になりますから、Dが亡くなるとCには相続権があり、Dにほかに子供がいなければBと2分の1の割合で財産を相続することになります。
まとめ
今回は養子縁組の制度と相続関係について解説してきました。
普通養子縁組においては実子と養子の間に相続争いが生じる場合があります。
その場合には弁護士に相談されることをおすすめします。
最終更新日 2024年6月30日
最終更新日 2024年6月30日