最終更新日 2024年12月4日
ご相談
Xさん(60代、女性)は、父が亡くなり、母やきょうだいから遺産分割調停を申し立てられた(1回目の調停)ため、驚いて、当事務所に相談しました。
当事務所の活動
当事務所は、調停において、母名義の預貯金等が、いわゆる名義預金であるとして、遺産に含めるよう主張したところ、調停が取り下げられたため、母名義の預貯金等について、遺産であったが、母によって引き出されたとして、不当利得返還請求訴訟を提起しました。
訴訟では、有力な論文に基づき、名義預金か否かは、出所が父名義の預貯金等であるか否かが重視されました。
そこで、当事務所は、母名義の預貯金等の出所について金融機関への調査嘱託を申し立てたところ、調査嘱託は認められたものの、金融機関の回答には、父名義の預貯金等が原資であることを伺わせる記載はありませんでした。
もちろん、さらにさかのぼって調査すれば、父名義の預貯金等が原資であることが判明する可能性はありましたが、裁判所がさらに調査嘱託を認める可能性は高くありませんでした。
そこで、当事務所は、Xさんの了解を得て、Yから何らかの金銭の支払いを受けるとの和解を試みました。
その結果、Xさんは、多額ではないものの、Yから金銭の支払いを受ける和解を成立させることができました。
その後、当事務所は、遺産分割調停を申し立てました(2回目の調停)。
2回目の調停では、遺産である不動産の評価が争われ、こじれれば不動産鑑定が必要でした。
ただ、調停委員2名のうち1名が不動産鑑定士であったことから、不動産の評価について、大まかな意見をもらうことができました。
活動の結果
その結果、不動産鑑定などを回避しつつ、遺産分割調停を成立させることができました。
解決のポイント
調停や訴訟においては、いくら手を尽くしても、証拠に限りがあると、ベストな結果が得られないことがあります。
本件も、まさにそうした状況でしたが、当事務所は、最大限手を尽くすことにより、セカンドベストな結果を得ることができたと考えております。
最終更新日 2024年12月4日